2010年 10月 29日
瀬戸内の建築とアート満喫の旅 |
先週末に建築家集団 若建の主催で四国と直島、豊島を巡る美術館とアート見学のツアーに参加しました。新幹線で岡山から瀬戸大橋線に乗り継ぎ途中いくつもの島を渡り丸亀市へ。
いいところですね~、瀬戸大橋から見渡す日本瓦の風情のある落ち着いた街並み、そして海に溶け込む緑豊かな景観、列車の中からでも深呼吸したくなるような景色で心も身体も癒されます。
駅を降りると美術館は丸亀駅の目の前、駅前広場からのアプローチの空間にいささかさびしいものを感じましたが図書館も併設する大型公共建築なので利便性を考えると納得です、そのせいか一階にある図書館はずいぶん込み合っていました。
建築設計は谷口吉生氏、丸亀市出身の洋画家猪熊弦一郎の画業顕彰と地域の美術振興を目的に1991年開館しました。
写真ではよく目にしていましたが予想どおりスバラシイ空間に仕上がっていました。ひとつ気になったことは鉄骨を使用し屋根の軽量化を図っているのですがあちこちの外壁に構造クラックが走っていました。
述べ床3000平米もの外壁を覆っているのは玄昌石とサイディング、竣工時の自然石はもっと黒に近かったかったようですが経年変化でずいぶん明るく変色していました。
20年近くも経っているのですが自然石を貼っているので石表面のムラも自然な風合いで受け入れられます。建物の裏側に回ってみると外壁の石にメンテナンスの為のコーティング剤が試し塗りされていました。もっと早い段階で手を打っていれば変色も抑えられたんでしょうが足場代だけでもとんでもない金額になりそうです。
駅前広場側を振り返るとエントランスのオブジェが空間に彩りを加えています。反対側にはカフェと人口滝のあるオープンテラスが広がり、くつろげるスペースが広がっています。
全体模型をみるとその大きさに驚きます、駅前によく造ったものですね、これだけ立派な駅前美術館は日本でここだけかもしれませんね。
珍しくこの美術館は内部撮影OK、明るくのびのびとした空間構成からは内部にいても外部空間を感じることができるような明快な空間デザインでとっても魅力的でした。
続いて訪れた東山魁夷瀬戸内美術館はタクシーで15分程の海岸沿いにあります。
瀬戸大橋を望む海側に張り出した大屋根のシャープなデザインが印象的です、そして遠方には東山家発祥の櫃石島を望むことができます。地震時の水平力はコンクリートの耐力壁で吸収する構造にはなっているものの、ちょっと不安を抱くほど鉄柱のサイズは細く仕上がっています。
一階のコーナーにはガラスで囲われて海に向けて眺望が開かれたラウンジ空間があります。中央にコンクリートの円柱があるものの屋根荷重の半分は窓枠を併用させているムクの鉄柱のみで受けています、積雪荷重のない場所でこそ成立する繊細な構造体です。
午後6時をすぎると高松駅周辺も昼間とは一変、美しいイルミネーションの世界が広がります。
日本一長い?丸亀町のアーケードを一路ホテルへ向かいます。本日の工程はこれにて終了です、翌日は直島に豊島へとハードスケジュールなので早めの食事?・・・いや、そんな訳ありませんよね、このメンバーじゃ、二次会で終わればいいけど、・・・。(記事:浪崎)
by wakakenn
| 2010-10-29 22:04
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