2011年 09月 01日
「六ッ川の家」竣工 |

3月11日の震災直前に上棟した「六ッ川の家」が今週末に竣工を迎え、3日には建築家集団 若建の見学会も開催する予定です。

一階には三人の子供たちの個室と二台分のカーポート、メインの居住空間は道路や隣家からの視線を感じさせず広がりのある二階に配置しました。

長さ5メートルを超える大型門扉は外壁に沿って移動するので車庫入れも楽々です、レールと重量戸車はもちろんステンレスを使用し女性でも楽に開閉できます。

二階の玄関へはこちらの開き戸からアプローチします。カーポートと同一のスチール門扉に杉の角材を取り付け、サイズを変えることで曲線のデザインを加えています。

そして鉄骨階段を上り二階の玄関へ、・・・ポリカーボで目隠しされたサービスバルコニーには室外機や生ごみの収納庫を設置します。

玄関ドアはアメリカンチェリーの框に米松横縞ラインのデザインの中にガラスキューブを組み込んでいます。

玄関からは階段スペースを通して居間とバルコニーへ視覚的な広がりを出しています。

高さ4メートルを超す天井に開けられたトップライトによって階段室全体が照明器具のように一階の通用口まで光を導きます。

階段からの見上げは3層分の吹き抜けが広がります。

食堂へはこのテンパードアから入ります、扉には玄関からの視線を遮るためにタペストリー加工を施しています。

居間のコーナーに設けられた書斎からは玄関まで見通すことができ、この家で一番奥行きを感じる空間です。

隣家の視線をまったく感じない落ち着いた外部空間は約9.5帖分、・・面積以上に広がりを感じます。

バルコニーを支えるH=300の重量鉄骨は2台分のカーポートをまたいで隣地側に設けた耐力壁に力を分散させる重要な構造体になっているので地面にいるぐらいしっかりとした安心感があります。

L字型に張り出したバルコニーの下には二台分のカーポート、都市住宅として限りある土地の有効利用で付加価値を高めています。
(記事:建築デザイン建匠 浪崎文彰)
by wakakenn
| 2011-09-01 10:20
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