2006年 05月 10日
平成17年度の新設住宅着工戸数 |
平成17年度の新設住宅着工戸数が国土交通省から公表された。
この結果から、あなたは何を感じますか?
5年ぶりに120万戸超えということで、景気が回復しつつあることを実証した結果です。
これで景気が良くなってきたと思いますか?
貸家と分譲マンションは増加したが、戸建住宅は相変わらず減少を続けている。
例えば東京では、
着工総数:186975戸 うち持ち家20406戸で、5.0%の減少です。日本で建った住宅の15%が東京に建ったんですね・・・すごいね!
いわゆる注文住宅と言われる物が「持ち家」ですから、新築着工戸数全体の11%弱しかないと言うことです。つまり新築住宅9件に1件しか注文住宅はないということ。しかもこの中にはいわゆる「売り建て」と言われる、住まい手の自由にならない物も相当数混じっています。
こう考えると、実に住宅着工戸数の7~8%(13000戸)程度しかいわゆる住まい手の意思を反映した注文住宅は存在しないのです。そしてその多くが建て替え需要とすれば、土地から求めて注文住宅を建てたいなどと言うのは、幻想に近い物があります。この限られたパイ獲得に、ハウスメーカー・パワービルダー・地域工務店が凌ぎを削っているのです。
では、なぜ着工棟数が増えて景気が回復しているように見えてしまうのでしょう?
数字から見れば、賃貸住宅が80108戸で8.9%増、分譲マンションが63563戸の1.2%増になっています。建売住宅は21414戸で8.8%も激減しています。(それでも持ち家に比べれば多い)
景気が回復しても、戸建注文住宅に廻ってくる人は、減少を続ける構造になっているのです。連休明け不動産株が上昇しましたが、建売住宅の雄「飯田産業」は蚊帳の外でした。
これは何を物語るでしょうか?
世の中の多くの方が、一生のローンを抱えて持ち家を持つより、賃貸住宅でいいから楽しく暮らしたいと考えてきたということでしょうか。住まいに対する価値観が変わってきた証拠です。財産と考えるより生活の場と考えてきたのでしょう。大切なのは、そこで営まれる生活。そして如何にイメージできるかということでしょう。そうです、住宅はつくることより住まうことを考えたいと東京町家で提案するのは、そんな背景があるから。
皆さんは、どんな意見をお持ちでしょうか?
※薄茶色の文字をクリックすると、データが出てきます。 (迎川)
by wakakenn
| 2006-05-10 19:01
| 一言物申す