自然界でこんな光景に出会ったらどんなに感動を覚えるだろう・・・、私も以前アルプスの山々で雲海の中を歩いていた時、神秘的な光の世界に身震いをする程,感動したことがあった。
「過去に行われた
K-one spaceによるライブコンサートPHOTINICS KOREA 2001」
人工で作り出した光とはいえ田中氏の表現の中にはそんな自然界の記憶を呼び起こすようなエネルギーを感じた。
そんな経験をさせて頂いたのは先日 自由学園明日館で行われた建築家集団『若建』の勉強会でのこと。
講師には光・環境造形作家として活躍されている レーザーアーティストの田中敬一さんをお招きし、映像の世界だけでなく実際のレーザーアートを会場で再現して頂きました。
講演の中で田中氏は惜しげもなく自作のレーザー光拡散装置を公開してくれました。回転させるモーターからアクリル板まで全て手造り、ちなみにレーザー光の発光装置(右上の黒いボックス)だけで¥80万だそうです。
光を通すフィルターの素材はアクリルでしたが、ガラス、水晶、水、大理石、水銀・・・・etc,
素材の性質で光の表情は無限に変化していくんでしょうね。
今までにたどってきたレーザーアートの世界で田中氏自身が感動した光景をもう一度再現して見たいと思ったことはないか、との質問を投げかけてみた。答えはノー、常に新しい世界を求め続けているそうだ。
レーザーアートの世界はとかく赤、青、緑といったけばけばしい色使いが多いと思っていたが田中氏の表現の中で、幻想的でより自然に近づいた方向性に興味を持つと同時に、更に日本的で繊細な光の芸術へ進化していく過程を見守っていきたい。(企画:浪崎)