2007年 03月 03日
大徳寺 高桐院 迎川利夫 |
木立に囲まれただ真直ぐに伸びる自然舗石の参道は、無意識に心を幽玄の世界に引き込む。
簡素ながらも気品に満ちた室礼。
質素な部屋に炉が切られているあたりは、千利休の趣味を伺わせる。
常に松声を聞き且つ趙州無舌茶味を嗜む因って松向・・・とその名の由来が明かされる。
黒っぽい壁は、瞑想空間として幽玄の世界に誘い込む。
深い軒で少し暗めにしつらえられた客殿は、自然と視線を明るい庭へと導く。
新緑や紅葉の季節には建具がはずされ、座敷が庭と一体化される。
その柱がまるで庭から続く木立のようで、紅葉の紅が室内を染める。
初夏の青葉や秋の紅葉は四季折々の自然の美を伝える。
ここの紅葉は、JRの「そうだ京都に行こう」のポスターにも採用されている。
京都の早春を楽しませていただいた。
by wakakenn
| 2007-03-03 17:16
| 社寺仏閣