2007年 10月 29日
制震工法の可能性 |
木造制震ジーバ<GVA>工法という新しい工法です
開発の経緯を株式会社 アイ・エム・エー新熊一生社長から伺いました。「制震工法」 とは、家をがっちりさせるだけでなく、建物にショックアブソーバーをつけようという工法です。粘弾性ダンパーが地震の衝撃的振動を吸収して弱め、かわしてから従来型の耐震性能を活用し耐える工法です。 どんな構造を用いても建物が共振状態に入ると一瞬のうちに破壊する事 そこで目に付けたのがビルに採用され始めた粘弾性ダンパー (住友スリーエム製VEM)です。筋かいの両端、合板の接着面等に取り付けてみると、ある一定のところで共振がとまり破壊しない事を確認することができました。 この現象を理論的に追求すると。ダンパーに躯体損傷の身代わり(エネルギーを消費)をさせることで合理的に建物の損傷を防止する事が可能な、エネルギー的、 損傷制御的手法に収斂しました。
開発者の構造家:真崎雄一先生のお話は構造理論に基づいた大変わかり易い解説で、制震工法に理解を深めることができ大変有意義なセミナーでした。
現段階では建築基準法上、制震壁は耐力壁としては認められず、耐震構造で耐力壁を確保した上で、制震を付加する安全策として捉えられていますが、私はそれ以上の効果が期待できると考えています。以前に参加した実物大の制震実験を見ても、揺れ幅の減少は見るからに小さくなったことを実感できました。
今後は新築物件だけでなく、既存のリニューアル物件でもその効果は多いに期待できそうです。大地震のとき、揺れを抑えることでガラスの破損を少なくし、避難ルートを安全に保ちながら避難する時間を確保するメリット、あるいは珪藻土などの土壁のクラックを最小限に食いとめるメリットなど、もっと多くの効果が期待できそうです。 (記事:浪崎)
by wakakenn
| 2007-10-29 11:37
| 建築雑学