2008年 08月 05日
大海原を再現!トータスハウス(海亀の家)の土間仕上げ |
トータスハウスの土間仕上げは海亀の家にふさわしく大海原をイメージし、“緑化石の洗い出し”で仕上げました。
この仕上げは私の記憶にある原風景、太平洋の荒波が打寄せ波が引いていく時に砂浜に残された砂利が浮かび出す風景をイメージして造りました。緑化石の青みがかった緑色がイメージにぴったりだったので昔からこの石に限定して使ってきました。
玄関の土間も、もちろん“緑化石の洗い出し”仕上げです。特に水に濡れた時は鮮やかな色で輝きを増します。
緑化石洗い出しの工程をご紹介しましょう。まずは玉砂利の調達です、今回使用した玉砂利の材料はインドネシア原産の緑化石:サイズは二分下、呼び名をそのまま解釈すると5ミリ前後になりそうですが、8ミリから10ミリの粒のものを言います。同じ大きさでも那智石や桂などの規格サイズでは三分が一般的な分類です。
ところがここで問題が起きました、20年も前から使って来た緑化石がここにきて採掘禁止になり、インドネシアからの輸入がストップしてしまいました。日本玉石という大手の石材メーカーでも在庫は一トンとのこと、全てトータスハウスの分として買占めました。
一トン分の緑化石を確保したのですが、トータスハウスの大海原はとっても広いので一袋でも不足すると他の石で代用という訳にもいかず大変なことになってしまいます。何社もの石材業者から断わられ困っていたとき、ふと思いついたのが天然石樹脂舗装の会社:エムアンドエムを経営している高校時代からの友人のOさん、石材に明るい彼なら何とかしてくれるかもと、かすかな期待でお願いしました。ちなみに天然石樹脂舗装とは3ミリ程の天然石をエポキシ樹脂で固めて土間を仕上げる工法です、さっそくそのルートの石材業者から中国産の緑化石を入手できるように手配してくれました、持つべきものは・・・Oさんに感謝!。だれです?中国産と聞いて首をかしげているのは・・・中国産とはいってもウナギじゃないんですから品質が落ちることもありません、若干比重が小さく凍害が起こる場所は避けた方が無難ですが、インドネシア産よりむしろ粒が揃っていて色もきれいです。
ミキサーで緑化石とセメント、砂を攪拌したものを土間へ塗り込みます。
2メートル近いアルミ定規で水平レベルを慎重に確認しながら仕上げていきます。
表面に残ったモルタルをスポンジローラーで取り除いていきます。
更に砂利の表面に残ったノロを丁寧にスポンジで吸い取りながら仕上げていきます。
ところで足元に気がつきましたか? この雪山で使うカンジキのような道具、アルミスリッパーといって、人の体重がスリッパー面積に分散されて足跡が残らないので土間仕上げには欠かせない道具です。
作業が終わった段階ではこんな表情です。
一日経過するとセメントのアクで白っぽくなります。
7日ほど経過し、モルタルの強度が出た段階で高圧洗浄を行い表面の砂やアクを取り除きます。
最終段階はセメントの白華防止材で、土間全体の白華部分を除去して完成です。
使用している白化防止材は塩化リチウムを主成分としたアクトルという製品で白化防止とともに再白華の防止にも効果があります。
裏庭の通路周りにも緑化石を敷き詰め大海原のイメージをだしました。
(記事:自然&建築Design BLOG 浪崎)
by wakakenn
| 2008-08-05 12:14
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