2008年 09月 07日
オリジナルデザイン家具の誕生! |
世界でたった一つのオリジナルデザイン家具が誕生しました。
トータスハウス(海亀の家)の建築空間に溶け込むように、オフィスのソファー、チェアーそしてスツールを、タテリブ状木製格子の統一したデザインで製作しました。
この空間の仕上げは、大理石のようなイタリアンタイルの床に“珪藻土砂浜仕上げ”の壁、そして天井はカダナ杉のオフホワイト調仕上げで構成されています。市販されている木工家具製品の中にはこの空間にマッチするデザインがありませんでした、そこで今回、いちから家具デザインを手掛け、何十枚にも及ぶデザインスケッチをおこないオリジナルデザイン家具を提案させて頂きました。
背板のばらつきを押さえるのと背中の加重を支える為の水平部材には黒檀を使い、視覚的にも力の流れが伝わるようなデザインにしています。また両サイドの足の部分と座面中央に組み込まれた二本の角材を黒檀で統一し、座面の垂直加重を水平に渡した力板に伝えるように設計しています。座面は本革張りの真っ白なクッション、純白の革が意外と少なく、脱色からはじめて完璧な白に染色してもらいました。
座面や背もたれの板としては、木の色をあまり目立たせたくなかったのでメープル材を選定しましたが、 工芸家の拘りでバーズアイメイプルの美しい板を選んでくれました。
製作は埼玉県入間市に工房を構えるトミタ WOOD WORKERの富田さん、工房の隣に建つ住まいも木工芸家の家らしく木の香りに満ちたとても魅力的な建物です。
まずは原板の製材から、・・・丸太買いした原木や製材して何年か寝かせた板の中から良い木目のメープル材を選び出し、いよいよ家具造りがスタートです。
座板に一本一本慎重にホゾ穴を開けて背もたれの部材を組み上げていきます。
組み木細工のように精度の高い家具に仕上がってきました。
椅子選びの一番重要なポイントは座りごこちです、薄くみえるクッションで見た目は硬そうなデザインですが、座ってみてびっくり、・・・柔らかさの秘密はウェビングテープです、腰掛けた時の衝撃吸収とやさしい感触を得る目的で座面をくり抜き何重にも張って仕上げています。
張りあがった状態で座り心地を確認し、この後、更にウェビングテープを加えて完成です。
一緒に作業している奥様も揃って工芸家、厳しい作業の中でも穏やかな雰囲気が漂います。
工房の窓を開けると外には一面のお茶畑が広がっていて心地よい風が工房を吹き抜けていました。
(記事 design-kensyo 浪崎)
by wakakenn
| 2008-09-07 10:06